解読文
原文
革袋(かわふくろ):駕籠に乗るには、此革袋(かわふくろ)を持てよろし、座右の物を残らず入て、休み又は泊りへ着、自身(じしん)ひつさけあかるに至極よきもの也
胴乱(どうらん):乗かけには此動らん至極重法なり、紐を手丈夫にすべし
現代語訳
革袋(かわぶくろ):駕籠に乗るには、この革袋を持つとよい。身の回りの物を残らず入れて、休んだり又は宿へ着いた時、自分で持って行くのにとてもよいものだ。
胴乱(どうらん):馬に荷物と一緒に自分が乗る時は、至極重法できる。紐で胴乱をしっかり結ぶべし。
解説
当頁タイトルをスーツケースとしました。本書二十四頁「寒国旅具并ニ国式之事」に"雪中旅具は紙衣(かみこ)、胴着(だうき)、或は皮類のものを下着に用ゆへし"とあります。
革袋の箇所で、座右の銘ならぬ「座右の物」という言葉が出てきましたが「座右」とは"身の回り"という意味です。
史料の革袋・胴乱の上に吊るさっているのは右から、薬・印・銭・煙草入れなどとして腰に下げる胴乱、脚半、手ぬぐい又は風呂敷?、次がわからない…(笑)。合羽にしては小さいし。わかった方は教えてください。
史料情報
- 表題:旅行用心集/文化7(1810)
- 八隅芦庵 著、彫工:佐脇庄兵衛・同 伊三郎、出版元:須原屋茂兵衛・須原屋伊八
- 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3361
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旅行用心集
1.概要 2.東海道 木曽路・3.そのⅡ 4.旅の前日 5.持ち物
6.チェックイン・7.アウト 8.食べ物 9.毒虫 10.ソリ
11.雪かき道具 12.頭巾、帽子 13.履物・14.かんじき、下駄