解読文(枠内)
原文
一 道中(たうちう)所持(しよし)すべき物(もの)、懐中物(くわいちうもの)の外(ほか)、成丈(なりたけ)事少(ことすくな)にすへし、品数(しなかつ)多(おほ)きれば、失念(しつねん)物等(ものとう)有之、却而(かへつて)、煩(わつら)はしきものなり
現代語訳
一 道中に所持すべき物は、財布のほか、できるだけ事少(ことすくな)にすること。品数が多ければ忘れてしまう物などあるので、却(かえ)って煩わしいものである。
解説
くずし字
道中 | 所持 | 成丈 |
どうちゅう | しょじ | なるたけ |
道の「しんにょう」は下にくる。 | 所は異体字。 | 「なりたけ」とも読む。「できるだけ」「なるべく」の意。 |
品数 | 有之 |
しなかず | これあり |
品のくずし字は臨に応用できる。 | 上へ返って読む熟語。超頻出用語。 |
MEMO
史料は『旅行用心集』道中用心六十一ヶ条の第二条。江戸時代でも旅に荷物をたくさん持って行くのは余りスマートではないようです。しかし所持品の頁に、提灯・麻綱・鉤(かぎ)など
史料情報
- 表題:旅行用心集/文化7(1810)
- 八隅芦庵 著、彫工:佐脇庄兵衛・同 伊三郎、出版元:須原屋茂兵衛・須原屋伊八
- 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3361
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旅行用心集
1.概要 2.東海道 木曽路・3.そのⅡ 4.旅の前日 5.持ち物
6.チェックイン・7.アウト 8.食べ物 9.毒虫 10.ソリ
11.雪かき道具 12.頭巾、帽子 13.履物・14.かんじき、下駄