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旅行用心集2

東海道、木曽路(中山道)宿場Ⅰ

東海道(日本橋~見付)、木曽路(京~奈良井)までの宿場・道程を『旅行用心集』から紐解きます。

史料

東海道、木曽路(中山道)宿場Ⅰ_旅行用心集

※無断転載禁止

挿絵

東海道右上に芝・大山・江ノシマ、左上にフチ川(富士川)・大井川(静岡県)、木曽路右下に大仏・三條・高屋川、左下にフクシマ(福島,長野県)・ソノハラヤマ(園原山)・木曽ノミサカ(御坂)などを描く。

東海道Ⅰ(五十三次)

史料右上

日本橋から原宿_東海道_旅行用心集

現代語訳

東海道を通って京都まで行く道のりは、日本橋から7.9km→ 1.品川から9.8km→ 2.河崎から9.8km→ 3.かな川から5km→4.程谷から8.9km→ 5.戸塚7.3km→ 6.藤沢から13.8km→ 7.平塚から2.9km→ 8.大磯から15.7km→ 9.小田原から16.7km→ 10.箱根から15km→ 11.三島から5.9km→ 12.沼津から5.9km→ 13.原から12.5km→

史料左上

吉原宿から見付宿_東海道_旅行用心集

現代語訳

上記原から→14.吉原から11.2km→ 15.蒲原から3.9km→ 16.由井から9.2km→ 17.興津から4.3km→18.江尾から10.8km→ 19.府中5.9km→ 20.まりこ(鞠子)から7.9km→ 21.岡部から7.2km→ 22.藤枝から8.8km→ 23.嶋田から3.9km→ 24.金谷から7.2km→ 25.日坂から7.2km→ 26.掛川から9.7km→ 27.袋井から5.9km→ 28.見付から16.7km→ 濱松に続く

木曽路(中山道)Ⅰ(六十九次)

史料右下

京から加納宿_木曽路(中山道)_旅行用心集

現代語訳

木曽路(別名 中山道)を通って江戸日本橋まで行く道のりは、から11.8km→ 69.大津から14.5km→ 68.草津から5.9km→ 67.守山から13.8km→ 66.武佐から9.8km→ 65.愛知川(えちがわ)から8.8km→ 64.高宮から5.9km→ 63.鳥井本から4.6km→ 62.番馬から3.3km→ 61.醒井から5.9km→ 60.柏原から3.9km→ 59.今須から3.9km→ 58.関ヶ原から5.9km→ 57.垂井から5.4km→ 56.赤坂から8.8km→ 55.み江寺から4.6km→ 54.今渡から5.9km→ 53.加納から16.7km→

史料左下

鵜沼宿から奈良井宿_木曽路(中山道)_旅行用心集

現代語訳

上記 加納から→ 52.鵜沼から7.9km→ 51.太田から7.9km→ 50.伏見から4.5km→ 49.御たけから11.8km→ 48.細久手から7.3km→ 47.大久手から13.8km→ 46.大井から9.8km→ 45.中津から4.5km→ 44.落合から4.5km→ 43.馬込から7.9km→ 42.妻籠から5.9km→ 41.みとの(三留野)から9.8km→ 40.野尻から7.3km→ 39.須原から12.9km→ 38.上ヶ松から9.8km→ 37.福嶋から5.9km→ 36宮ヶ越から7.9km→ 35.藪原から5.9km→ 34.ならゐから5.9km→贄川に続く

解説

東海道は五十三次、木曽路(きそじ:別名中山道)は六十九次と言い、各道五三宿、六九宿あります。史料 東海道は日本橋→京都、逆に木曽路は京→江戸日本橋に向かって、宿場と次の宿場との距離をそれぞれ記します。かくして紙面の配置に工夫がなされ、洒落ています。

現代語訳の距離は、一里=三六町、一里を3.93km、一町(丁)を0.11kmとして計算、小数点第二位を四捨五入して切り捨てしました。

東海道(静岡県)「まりこ」(鞠子)宿と木曽路(長野県)「みとの」(三留野)宿及び「ならい」(奈良井)宿が特に意味はないのでしょうが仮名表記。ちなみに鞠子宿は東海道中でもっとも小さい宿場です。

史料情報

  • 表題:旅行用心集/文化7(1810)
  • 八隅芦庵 著、彫工:佐脇庄兵衛・同 伊三郎、出版元:須原屋茂兵衛・須原屋伊八
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3361
  • 当サイトは同館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

旅行用心集

1.概要 2.東海道 木曽路・3.そのⅡ 4.旅の前日 5.持ち物

6.チェックイン・7.アウト 8.食べ物 9.毒虫 10.ソリ

11.雪かき道具 12.頭巾、帽子 13.履物・14.かんじき、下駄

15.足ツボ 16.必需品 17.スーツケース 18.日記の書き方

19.天気予報 20.白澤 21.旧国名地図

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