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旅行用心集その18

江戸時代の天気予報

史料

青枠の部分を解読してみましょう。

天気

※無断転載禁止

解読文

○日和見様(ひよりみやう)の事并古歌(こか)諺(ことわざ)

一 夜(よる)の九ツ時、昼(ひる)の五ツ時七ツ時より、降出したるは長雨也

又昼の四ツ時六ツ時の降出しは少しの間にて、日和になる也

又夜の五ツ時七ツ時、昼の九ツ時の降出しは、はら/\雨にて、早速(さつそく)止(やむ)也

又昼の八ツ時六ツ時、夜の四ツ時のふり出しは、僅(はつか)半日計りにてあかるなり

現代語訳

○空模様の様子の事ならび古歌(こか)諺(ことわざ)

一 夜の12時、朝の8時、夕方5時からの降り出しは、長雨なり。

また朝の10時、夕方6時の降出しは少しの間で、晴れるなり。

また夜の9時、明け方の4時、昼の12時の降出しは、はらはら雨にて、早速止むなり。

また昼の2時、夕方6時、夜の10時の降出しは、僅か半日ばかりにて上がるなり。

解説

雨の降り出す時間帯によって細かく天気を予報しています。

感覚的にそんな感じする!と思わせる内容で、今後は気象庁の予報だけでなく、この江戸時代の予報も思い出すと面白いかもしれません。

さて、江戸時代の時刻は不定時法対応表(西洋時計便覧)でもお伝えしましたが、不定時法なので例えば夕方の七ツ時を現代で言い現わすと、夏至は17時半、春分・秋分は16時半、冬至は15時半頃と変動します。

現代から見ると一見不便な不定時法ですが、「明け6つ」と言えば夏至でも冬至でも「朝、太陽が昇る時間」となるので、時計がなくても不便を感じません。自然と共に生活!って感じですね。

さて、問題は不定時法で表記された時間を、現在使われている定時法で表記する際、どうする?ということです。

夏至と冬至の間で最大2時間くらいのズレが生じますので、現代語訳はその間をとって春分・秋分あたりに合わせて訳してみました。その際、前述の不定時法対応表(西洋時計便覧)を参考にしてみたのですが、意外にも実践で大いに役立つ表でした。(笑)

  

史料情報

  • 表題:旅行用心集
  • 年代:文化 7(1869)/出所:八隅芦庵/宛所:須原屋伊八外/形態:竪帳
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3361
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

旅行用心集

1.旅行用心集とは/2.東海道、木曽路Ⅰ/3.東海道、木曽路Ⅱ/4.旅の前日/5.持ち物について

6.宿の確認事項/7.毒虫にはご用心/8.馬、駕籠などの手配/9.夏の食べ物/10.ソリの種類

11.雪かきの道具/12.頭巾や帽子/13.履き物その1/14.履き物その2/15.白澤の図/16.旧国名・日本地図

17.足のツボ/18.旅行用バッグ/19.旅行の持ち物/20.日記の書き方/21.天気予報

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