解読文
藁沓(わらくつ)
是はすね迄つくり付なり、越後にて多くこれを用ゆ
藁はばき(わらはばき)
これは寒気をよくふせくものなり、又、蒲(かま)はゞきもあり、然とも寒気をふせくには、藁にしくはよし
おりふきわらじ
ヲリフキわらじ又みかけわらじともいふ、又頭はかりなヲリツキといふ
源平赤くつ
藁(わら)にて作り、口へ木綿ヲ付るなり、廉なる物は木綿を付ず、武士町家多く是を用ゆ
赤綿(あかわた)たび
是は赤わたぼうしを作る木の皮にて、織たるたびなり、下賎の人多くこれをはく
解説
- 付なり:付けるなり
- はばき:旅行や作業などの際、すねに巻きつけてひもで結び、動きやすくしたもの。
- 頭はかりな:つま先部分を
史料は『旅行用心集』二四頁「寒国旅具図式并ニ之事」に紹介されている履物。源平赤くつは、現代の履物と形がほぼ同じですが「藁(わら)にて作」るようです。また、身分で履物にも違いが出てくるようです。
史料情報
- 表題:旅行用心集/文化7(1810)
- 八隅芦庵 著、彫工:佐脇庄兵衛・同 伊三郎、出版元:須原屋茂兵衛・須原屋伊八
- 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3361
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旅行用心集
1.概要 2.東海道 木曽路・3.そのⅡ 4.旅の前日 5.持ち物
6.チェックイン・7.アウト 8.食べ物 9.毒虫 10.ソリ
11.雪かき道具 12.頭巾や帽子 13.履物1・14.かんじき、下駄