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旅行用心集その14

江戸時代の履物その2

史料

かんじき、草履下駄、竹下駄

※無断転載禁止

解読文

かんじき(史料上)

是は鉄(てつ)にて鎹(かすかい)の如く作り、草履(ぞうり)の下へはき、雪の上すべらぬ為のものなり、又手軽(てかる)く作りて、沓草履(くつぞうり)等の下へはくなり、商人、田舎の人、是を用ざるものなし

かんじき(史料下)

蔓(つるもの)にて作(つく)り、わらじの下へはき、雪の深き処へふみ込ぬ為なり、山樵(きこり)又は鷹狩(たかゝり)等の人多くこれをはく

草履下駄(ぞうりけた)

是は雪の氷りたる日に、坂の上又は橋の上なと小児此下駄をはき辷(すべ)り、戯れ遊ふなり

もつとも寒気強き日程よくすへるなり、一ト足に三四十間より五六十間も走るなり、此下駄をつくる木も雪車(そり)を作るヲノヲレ也

竹下駄(たけけた)

此外下駄も草履下駄の如く辷(すべ)る也、是は辷るに曲ることなくまつすくにはしるなり、近年多くこれを用ゆるといふ、是等旅具にあらざれとも雪国のみの物故出也

解読文

かんじき(史料上)

これは鉄で鎹(かすがい)のように作り、草履の下へ履き、雪の上をすべらない為のものだ。また手軽く作って、沓草履(くつぞうり)等の下へ履く。商人や田舎の人でこれを用いない者はない。

かんじき(史料下)

蔓物(蔓性の植物)で作り、わらじの下へ履き、雪の深い所へ踏み込まない為のものだ。山樵(きこり)又は鷹狩り等の人は多くこれを履く。

草履下駄(ぞうりげた)

これは雪の氷(こお)る日に、坂の上または橋の上などで、小児はこの下駄をは履き辷(すべ)り戯れ遊ぶ。最も寒気が強い日ほどよくすべる。ひと足に50m~70mも走る。この下駄を作る木も雪車(そり)を作るヲノヲレである。

竹下駄(たけげた)

この外、下駄も草履下駄のように辷(すべ)る。これは辷ると曲ることなく真っ直ぐに走る。近年多くこれを用いるという。これらは旅具ではないけれど雪国のみの物なので記す。

解説

前ページの続きで、史料では江戸時代の寒い国の履物のご紹介です。雪の上のすべり止めのかんじき、氷の上で子供が遊ぶ為の草履下駄、大人も遊べる?竹下駄を紹介しています。

竹下駄は絵を見ると、竹を真っ二つに割っただけのシンプルな下駄で、ちょっと噴き出してしまいますね。しかも近年、この竹下駄が流行っているようで、氷の上を江戸時代の人々は竹下駄でスースーすべっていたということでしょうか。すごい面白そうですね(笑)。

  

補註

註1:小学館辞典編集部 『現代漢語例解辞典 』(小学館、1996年 )参照。

史料情報

  • 表題:旅行用心集
  • 年代:文化 7(1869)/出所:八隅芦庵/宛所:須原屋伊八外/形態:竪帳
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3361
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

旅行用心集

1.旅行用心集とは/2.東海道、木曽路Ⅰ/3.東海道、木曽路Ⅱ/4.旅の前日/5.持ち物について

6.宿の確認事項/7.毒虫にはご用心/8.馬、駕籠などの手配/9.夏の食べ物/10.ソリの種類

11.雪かきの道具/12.頭巾や帽子/13.履き物その1/14.履き物その2/15.白澤の図/16.旧国名・日本地図

17.足のツボ/18.旅行用バッグ/19.旅行の持ち物/20.日記の書き方/21.天気予報

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