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引札その3

御鼻紙袋・御多葉粉入広告

史料

引札・御鼻紙袋・御多葉粉入広告

※無断転載禁止

解読文

御目印 御鼻紙袋・御多葉粉入 品々 私見世之儀者

現金無懸直諸品共、縫方入念下直ニ奉差上候、別而御誂物等下直ニ仕上ケ、麁末無之様、何ニよらず御使ニ而被仰付候共、少茂相違無御座候

若御意ニ入不申候品は、何ケ度も取替奉差上候間、聊之御用ニ而も、被仰付被下置候様、偏ニ御ひいき奉希上候

但、御好ニ而こはぜ金物打立候品を、取替御用捨一と被下候

小あみ町壱丁目角 照降町 宮川長次郎

用語解説

懸直(かけね):値切られることを予想して、実際の販売価格よりも値段を高くつけること。

見世(みせ):店のこと。

誂物(あつらえもの):注文して作らせた物。

下直(げじき):値段が安いこと。

麁末(そまつ):質が悪いこと。

御意に入る(ぎょいにはいる):気にいる。思し召しにかなう。

こはぜ:合わせ目のはしにつけてとめる、つめの形のもの。

用捨(ようしゃ):許すこと。

希上(ねがいあげ):願上(ねがいあげ)と同義語。

現代語訳

私の店の鼻紙袋と多葉粉入れは、高い価格で売りつけないよう値札通りの価格で販売し[註1]、縫い方も念入り、安いお値段でお求めいただけます。

とりわけ、ご注文されて作った品は低価格で、それでいて質は悪くなく、何があってもお使いいただけ、このことについて少しも間違いはございません。

もし、お気に召さない場合は、品は何度もお取り替え差し上げますので、少しの御用にても仰せ付け下さいますよう、ひとえに御ひいきお願い奉ります。

但し、お好みにて爪形の留め具をつけた品を取り替えることは最もご容赦ください。

小あみ町壱丁目角 照降町(現中央区・日本橋) 宮川長次郎

解説

鼻紙袋と多葉粉入という異色の組み合わせの広告ですが、明治20年代まで大人の女性が使う物入れは、鼻紙袋やタバコ入れ、財布などが主流だったそうです。

  

補註

註1:この様な販売方法を正札(しょうふだ)販売といい詳細は、冬衣売出し広告を参照のこと。

史料情報

  • 表題:広告(御鼻紙袋、御多葉粉入品々)(木版)
  • 年代:―/出所:小あミ町壱丁目角照降町宮川長次郎/形態:一紙
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書4874
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

引札

1.冬衣売出し広告/2.御蒸菓子所広告/3.御鼻紙袋・煙草粉入

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