被と可の読み方
表:被と可 活用形
未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | |
---|---|---|---|---|---|
被(らる・る) | られ・れ | られ・れ(候) | らる・る(可) | らるる・るる | らるれ・るれ |
可(べし) | べから | べく(候) | べし | べき(旨・事) | べけれ |
候(そうろう)は、動詞や助動詞の「連用形」に付きます。従って文末が候の場合、上の表の規則により、被候は「られ」そうろう、可候は「べく」そうろう、と読みます。
可は活用語の「終止形」に付きます。従って可被〇候は、〇さ「る」べくそうろう(〇→被→可→候)と読みます。これを踏まえて、以下の例文に挑戦してみましょう。
例文
① 御停止被 仰付候
- 読み:ごちょうじ おおせつけられ そうろう
- 意味:禁止するよう命じられました。/停止(ちょうじ)は禁止の意。
② 御法度之儀可相守御座候
- 読み:ごはっとのぎ あいまもるべく ござそうろう
- 意味:法令の事柄は守りなさい。
③ 御手判可被下候
- 読み:ごてはん くださるべく そうろう
- 意味:通行手形をお与えください。
用語解説
用語(読み方):意味/解説
- 候(そうろう):です/文末に用いる。候の前にニ而(にて)置き、~ニ而候などすると締まりがいい。
- 御座候(ござそうろう):ございます。/1.候の丁寧語。
- 御(おん・お・ご):名詞や動詞の前につけて尊敬や丁寧をあらわす。/御代官、御法度など。
- 被 仰付(おおせつけられ):命じられるの意。/被と仰付の間に闕字(けつじ)が入る場合が多い。
- 之(の・これ):意味は現代と同じ。/右之通(みぎのとおり)、相談之上(そうだんのうえ)等。
- 可相守(あいまもるべく)守りなさい。/相は名詞や動詞の前について語調を整える役割がある。
- 義・儀(ぎ)/こと・~について。/「私義」(わたくしのぎ)は「わたしのことは」の意。