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世界商売往来その1

世界商売往来とは 外来語の日本語表記集

表紙

世界商売往来表紙

※無断転載禁止

解説

概要

往来物とは、庶民の初等教育に用いられた教科書のこと。当サイトでは『世界商売往来』のほかに『百姓往来』や『女大学』などの往来物を扱っています。

『世界商売往来』は明治四年刊行の橋爪貫一著作。江戸時代が終わり、西洋の交渉が始まり外来語が増え、分かりにくいので作られました。説明文だけでなく図解を重視している点が特徴です。

明治初期の隠れたベストセラーであり、福沢諭吉の『学問のすすめ』が「上等の文筆家」による高明正大な著書であったなら、『世界商売往来』は大衆向けの啓蒙書となっています。

「商売」のことが書かれてない!?

さて、世界「商売」往来は「商売」がその主題である以上、商売における契約ややり方などが書かれている――と思ったら、全く書かれていません。ただただ世界の「品物の名前」を列挙しています。

すなわち世界の国名船の構造武器の種類航海道具、旅館や商家の人々、洋服装飾品雑貨、料理器具、馬の道具、農機具、植物の種類、魚の種類…など。

何故でしょうか。森本理氏[]によれば、世界商売往来は全ての抽象概念を避け、実在の世界のみを捉えていると述べておられます。つまり日本の近代化は「抽象」ではなく、「具体」から始まったのです。

外来語の日本語表記

現在においては『世界商売往来』を読むことで、当時の外来語の日本語表記を知ることができます。外来語をよく理解したうえで、漢字や仮名で適切に表現していて面白いです。当書を読むことで、言葉の歴史をひも解くことができるでしょう。それでは次頁以降、当書の解読にチャレンジしてみてください。

  

補註

森本理「学び」から見た直接体験の史的研究 http://www.e-net.nara.jp/kenkyo/index.cfm/21,2492,c,html/2492/08_kiyou_h16.pdf

史料情報

  • 表題:世界商売往来
  • 年代:明治 4(1871)/出所:橋爪貫一著/宛所:雁金屋清吉外/形態:竪帳
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3378
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

世界商売往来

1.世界商売往来とは/2.世界の国名/3.船の構造/4.航海道具/5.武器や武具/6.洋服の名前

7.装飾品の名前/8.文房具の名前

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