解読文(原文)
銘茶砂糖掛物/御蒸菓子所/武州本庄町近伝㊞
解説
史料は年代がわからないのですが、右から左へ横文字で書かれている、お茶菓子屋さんの引札(広告)です。
二行目の所および三行目の刕は州、傳は伝が異体字で書かれているので、意外にも少々解読が難しいです。掛物(かけもの)とは、豆やケシの実・ゼリーなどを芯(しん)にして砂糖をかけた干菓子。豆板・コンペイトーなど。武州本庄町近伝は、埼玉県本庄市。
史料を鑑賞すると、まず左中央に壺と生けた花が目に飛び込み、一見お茶菓子屋の広告に見えません。が、右下に控えめに、お盆に載せた急須と湯呑、右にお菓子が入っている?蓋付きの骨董が描かれています。わが店の商品を敢えて小さく描く、憎いセンスを持つ、このお店に行ってみたくなります。
史料情報
- 表題:銘茶砂糖掛物御蒸菓子所広告
- 年代:―/出所:武州本庄町近伝/形態:一紙
- 埼玉県立文書館寄託 小室家文書5681
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