くずし字で楽しむ江戸時代

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身近なくずし字11

静岡名物の和菓子 くずし字解読

史料

安倍川もち_くずし字

写真は静岡名物の和菓子です。品名のロゴがくずし字で書かれているので、これを解読してみましょう。

解説

安倍川もち

写真の安倍川もちは静岡で見つけました! と申し上げたい所ですが池袋西武のデパ地下で発見しました…。

くずし方

安倍川もちの文字

史料は漢字で安倍川と記載。ちなみに現行の平仮名「あ」は「安」、「つ」は「川」をくずした字体。

史料仮名「も」「ち」は「毛」「知」をくずした変体仮名。現行の平仮名「も」「ち」も「毛」「知」をくずした字体。元になった漢字が同じといえど、くずし方の違いで印象が大なり小なり変わります。

幕末の落首

  • 阿部川は見かけかばりでうまくなし 上喜撰には合はぬお茶菓子

上記は、嘉永六年(1853)ペリー来航の際によまれた落首。阿部正弘と阿部川餅、上喜撰と蒸気船をかけて優柔不断な正弘を批判したもの。上喜撰(じょうきせん)とは、茶の銘柄の一つ喜撰(きせん)の上等なもの、また上等な茶の意味もあります。

参考文献

山中清孝「第二節 開国による政局の変動と埼玉県政_第四章 幕末期の政治と社会」『新編埼玉県史 通史編4 近世2』(埼玉県、1989年)752頁 二 庶民負担の増加

身近なくずし字

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10.川越 菓子 11.静岡名物 12.調味料

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