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度量衡講座12

一文っていくら?銭貨の換算

目次

単位銭一文円換算 計算式解説

銭百文一貫文補註度量衡講座関連記事

江戸時代 銭貨(せんか)

寛永通宝 天保通報 一貫文
一文銭 百文銭 一貫文
寛永通宝 天保通宝 「さし」という紐に一文銭を一千枚通す
1636~1860 1835

単位

江戸時代 貨幣

  1. 金貨:両、分、朱
  2. 銀貨:貫、匁、分
  3. 銭貨:貫、文

銭貨

  • 単位:貫(かん)、文(もん)/くずし字
  • 銭一貫=一〇〇〇文
  • 銭貨は主に全国で、庶民・百姓が使用。

銭(ぜに)一文

円換算 計算式

  1. 江戸時代中後期において、金一両は六五〇〇文に相当[]。
  2. 金一両を現代で約75,000円とする。
  3. 一文は、75,000円÷6,500文=11.53846…≒12円

解説

江戸時代の貨幣には金貨・銀貨・銭貨の三種あり、文(もん)は銭貨の単位。江戸時代の代表的貨幣である寛永通宝一枚が一文にあたります。

さて上記計算式は当サイトオリジナルにして、米5kgで2,500円、金一両=約75,000円とした場合の試算。令和七年(2025)現在、米価高騰につき金一両=約135,000円で計算すると、銭一文は約20円となります。もっとも上記計算式を用いれば、ご自分の経済感覚でスパッと解を求めることができます。

銭百文

ややこしいのですが、普通一文銭九六枚で百文として通用しました。よって銭一文12円として銭百文は、12×96=1,152円。米価高騰につき、銭一文20円で換算すると1,920円。いずれも銀一匁と同じくらいの額です。

天保通宝は天保銭、百文銭とも言われていますが、これは実際に八〇文の価値しかありません。また、銭百枚で百文と計算することを長銭(ちょうせん)と言います。九六銭換算法や長銭について詳しくは、村入用帳をご参照ください。

一貫文

一文銭をひもに一千枚通したものを一貫文と言い、千文が一貫となります。

上記で銭百文を1,152円としたので、これに10を掛けると一貫文は11,520円。米価高騰につき銭百文を1,920円とすると、一貫文は約20,000円。

補註

学芸課展示係 編『図表でみる江戸・東京の世界』(東京都江戸東京博物館、1998年)「金・銀・銭 三貨の比率」80-81頁

度量衡講座

1.石高 2.面積

3.石盛:4.石盛と石高を極める1 5.その2

6.重さ 7.駄馬の種類と積載量 8.長さ

9.江戸時代の貨幣 10.金貨 11.銀貨 12.銭貨

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