原文
右寄、永三貫弐百八文、金壱両弐分、銀弐百六匁壱分八り、銭八貫三拾弐文
惣為銭六拾弐貫六百壱文、此長銭六拾貫九拾七文
合計額計算
前頁で見てきた名主給、通信・光熱費、権化・旅僧、御用交通費に記載されている金額を永・金・銀・銭に分けて、それぞれ足して、史料の合計額と合うか確かめてみましょう。
永
1.永壱貫六百四文+2.永壱貫六百四文=永三貫弐百八文
金貨
3.金壱両+4.金壱分+13.金壱分=金壱両弐分
銀貨
6.銀拾匁+10.銀五拾弐匁六分四り+11.銀九拾七匁五分+12.銀拾弐匁 銭弐百文+14.銀三拾四匁四り=銀弐百六匁壱分八り
銭貨
5.銭壱貫弐百文+7.銭弐貫文+8.銭三貫六百文+9.銭四百八拾四文+12.銭弐百文+13.銭弐百六拾四文+14.銭弐百七拾六文=銭八貫二拾四文≒銭八貫三拾弐文
九六銭換算法
永・金・銀は史料の合計額とぴったり合ったのですが、銭だけ八文合いません。銭貨は、普通一文銭九六枚で一〇〇文として通用しました。よって銭貨の合計額は、一〇〇文以上と一〇〇文未満・散銭(ばらせん:はした銭、小銭のこと)で分けて計算しなければなりません。下記のように計算します。
- 九六銭(百文以上):5.銭壱貫弐百文+7.銭弐貫文+8.銭三貫六百文+9.銭四百+12.銭弐百文+13.銭弐百+14.銭弐百=七貫八〇〇文
- 散銭(百文未満):9.八拾四文+13.六拾四文+14.七拾六文=二二四文
- 二二四文÷96=2(=二〇〇文)、余り三二文(=散銭)
- 七貫八〇〇文+二〇〇文+三二文=八貫三二文
長銭
史料最後から二行目の長銭(ちょうせん)とは、銭100枚で100文と計算することです。史料の長銭六拾貫九拾七文を96銭で換算すると六拾弐貫六百壱文になります。
以上、96銭換算法につきましては2019年4月にサイトの訪問者さんよりご教授いただきました。感謝!
史料情報
- 小平市立図書館所蔵 當間家文書『去戌年村入用帳』(D-5-38)文久三年
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