くずし字で楽しむ江戸時代

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数字の解読6

銭貨(貫、文)のくずし字解読

史料

例1 例2 例3 例4
銭壱貫弐百文 銭弐貫文 鐚六百拾八文 銭四百八拾四文
銭壱貫弐百文 銭弐貫文 鐚六百拾八文 銭四百八拾四文
瞽女(ごぜ)への支払い 年貢運搬費 畑年貢初納分 旅僧・座頭への支払い
約14,400円 約24,000円 約7,500円 約5,808円

解説

概要

  • 銭貨(せんか)単位:貫(かん)、文(もん)
  • 銭一貫=一〇〇〇文
  • 江戸時代、銭貨は主に全国で、庶民・農民が使いました。

解読法

  1. 貫は「〆」の字を当てることがあります。
  2. 銭貨において、貫の単位きっかりで文の単位にわたらない場合は、例2のように「貫文」と記します。
  3. 例3の鐚(びた)は、鐚銭(びたせん)の略で主として銭貨を指します。
  4. 銭一文は「銭(ゼニ)一文」と読みます[]。

江戸時代の貨幣は、金貨銀貨・銭貨と三つあり、単位もそれぞれ違い複雑です。銭貨は少額貨幣で、史料は大人社会におけるサービスなどの値段が並びましたが、江戸っ子は当時、これで気軽にお菓子なども買ったことでしょう。

銭貨の単位は貫と文しかなく、やさしいように見えますが、史料例のとおり意外に読みづらいのが特徴。かくして侮らず、上記解読法を押さえておくとよいでしょう。

補註

大槻文彦『新編大言海』(冨山房、1984年)「銭(せん)」1165頁 参照

数字の解読

1.十干 2.十二支 3.閏月 4.金貨 5.銀貨 6.銭貨

7. 8.面積 9.

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