解説
概要
- 金貨単位:両(りょう)、分(ぶ/歩とも書く)、朱(しゅ/銖とも書く)
- 金1両=4分=16朱
特徴
江戸時代の貨幣は、複雑で理解が難しいです。何故かというと金・銀・銭の三種類で異なる単位を持ち、換算率が一定ではなくたえず変動するからです。
例えば金一両あたり、元禄一三年(1700)は銀貨は六〇匁、銭貨は四〇〇〇文、天保一三年(1842)銀貨は六〇匁、銭貨は六五〇〇文はでした[註]。
金貨の単位は、上記のとおり両・分・朱の四進法です。「関東の金づかい」「上方の銀づかい」と言って、金貨は金貨は主に東国で、上級武士が使いました。
解読法
両や分のくずし字は慣れてないと難読ですが、頭に「金」とくれば金貨を意味し、単位は決まっているので、両・分・朱の三択となります。例2は改ざん防止のため㊞が押されています。
補註
学芸課展示係 編『図表でみる江戸・東京の世界』(江戸東京博物館、1998年)「金・銀・銭 三貨の比率」80-81頁 参照