くずし字で楽しむ江戸時代

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コラムその5

もしも江戸時代の人がコロナに遭遇したら

多分こう!

生活

  • 守護神:霊獣・白澤(はくたく)。[1,2]
  • 麦殿大明神:幕末の麻疹(はしか)の大流行の際に活躍。感染症くくりで麦殿に再び期待。
  • 医療:大儒・荻生徂徠先生『政談』曰く、たらい回しにされることも。
  • 仕事:年貢を納めるため、農民(人口の8割)は農業に従事。コロナで職を失う人は少数派。
  • 不要不急の外出:普段より滅多に村の外に出ない。[3]
  • 旅行代参講(だいさんこう)により、村の代表として生涯に一度、通行手形を持ち伊勢参宮。
  • 飲食店:テーブルはなく、もとより対面で蕎麦をすすらない。
  • 酒:アルコール中毒になって、無宿にならないよう注意。
  • 賭博:もとより禁止。
  • 感染対策:もとより窓がない。
  • 自粛警察:五人組が組織されている。
  • マスコミ:瓦版。コロナを逆手に取り、笑いに変えて世直し?

政治

まとめ

こーしてみると、緊急事態宣言って天保の改革の焼き直しか、って思う節があります。コロナに遭遇しても江戸時代村の人の暮らしは、恐らく普段と余り変わらない(笑)。となると現代人は、今の生活にちょーっと無理があるのかもしれません。一方幕府にとっては却って都合がいいかも。

幕末の内憂外患時、安政二年(1855)の大地震→七年後の文久二年(1862)麻疹の大流行→という流れが今と似ていることもあり、これを機に歴史を振り返る意義も大いにあるかと存じます。

補註

  1. 今話題のアマビエについては、私は今まで聞いたことがなかった。
  2. 首里城の有名な江戸時代の白澤之図が、2019年の火災から免れた奇跡からもその威力の程がわかるだろう。沖縄戦も首里城火災も免れた「神獣」@朝日新聞
  3. 裁判はお白洲まで遠く、徒歩交通費もかかるので、地元の名主や和尚さんなどが仲裁に入るが基本。
  4. 人返しの法で帰村する人はまずいなかった。
  5. 幕藩体制=石高制で、お米作ってくれる人が大勢いないと幕府は成り立たない。

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