解読文
蒸気船・本名・フレカツト船
一 長サ三十八間巾拾二間/一 帆柱三本、帆数十一段/一 ぎやまん格子間戸十三間
一 大筒左右二段三十六挺/一 水車総鉄作り差渡し四間
一 此蒸気船は元欧羅巴イリギスノ工夫、して、アメリカへ渡りおく、綱古さけて、船をそば/゛\し、人多くしすゆへに、川ふね運そう、船につかへし所へ、段々じようのきぐわいをかんがい、近頃は、もつぱら車船に、もちへしゆへ、諸国にわたる
初て嘉永六年六月アメリカ合衆国ヨリ、大日本相州三崎之沖へ渡来ス其いきを逆風・ふう雨・雨ヲいとわず、あたかも龍の大海ヲ渡るがごとし
解説
間は長さを表す単位で、一間(けん)は1.8メートル。帆の数え方は段(反)。挺(チョウ)は、銃や墨、蝋燭などを数える語で、現代表記では「丁」。差渡しは直径のこと。
綱古は網罟(もうこ)または罔罟(もうこ)で鳥獣を捕える網カ。そばそばし(稜稜し)は、かどばっている、ごつごつしているなどの意味があります。車船(くるまぶね)は水車を回転させ船を推進させる蒸気船のことです。
史料情報
- 表題:蒸気船[図](フレカツト船図)
- 年代:近世
- 埼玉県立文書館収蔵 増田家文書402
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かわら版
黒船来航1・2/アメリカ・ロシア人1・2