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絵入智慧の環17

犁(からすき)で田を耕す、種まきの図

明治六年の教科書(往来物)『絵入智慧の環』から、昔の耕起の様子を紐解きます。

史料

犁で田を耕す、種まき_絵入智慧の環

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原文

右頁:たをすくさま、左頁:たねまき

MEMO

右頁「すく」の「す」は「春」、「さま」の「ま」は「末」をくずした変体仮名。左頁「たね」の「ね」は「祢」をくずした変体仮名。「まき」の「ま」は前述の「さま」の「ま」同様、「末」をくずした変体仮名。

解説

田を「すく」とは「鋤く」、土を耕すの意。

百姓往来』の農具に紹介されている犁(からすき)を使って、にひかせて土を掘り起こしています。根株の残っているような堅田は犁で耕した後に鍬を用いて深く耕しました。

充分に肥料を施した苗代に、史料では手で種籾を蒔く人が描かれています。江戸後期一反につき、五~七程度蒔かれました。

参考文献

秋山高志・前村松夫・北見俊夫・若尾俊平 編『図録 農民生活史事典』(柏書房、1991年)

史料情報

  • 表題:絵入知慧の環 初編上
  • 年代:明治6.5(1873)/古川正雄 著
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書4197
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絵入智慧の環

1.概論 2.にはとり 3.つくゑ 4.ゐのしゝ 5.すゞめ 6.数字

7.家庭内序列 8.父母の呼び方 9.東西南北 10.天地

11.短文 12.方位 13.春夏秋冬 14.花見 涼み 15.月見 雪見

16.歳時記 17.耕起 18.田植 19.稲刈り 20. 脱穀

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