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絵入智慧の環18

昔の田植 鳴子を張った苗代、蒔田、早乙女

明治六年の教科書(往来物)『絵入智慧の環』から、昔の田植えの仕方などについて紐解きます。

史料

鳴子、蒔田、早乙女_絵入智慧の環

※無断転載禁止

原文

右頁:なはしろ、なへ/左頁:たうゑ、さをとめ

MEMO

右頁「なはしろ」と「なへ」の「な」は「奈」をくずした変体仮名。左頁「たうゑ」の「ゑ」は「え」と発音。「ゑ」は「恵」をくずした変体仮名。「たうゑ」は田植、「さをとめ」は早乙女のこと。

解説

史料上図の苗代(なはしろ)とは、稲の苗を育成する場所で、害除けとして鳴子(なるこ)が張られた様子が描かれています。鳴子は遠くから綱を引くとカラカラと音を立てる仕掛けになっています。

下図の苗には、『百姓往来』の農具に紹介されている天秤棒(てんびんぼう)で、抜いた苗を運ぶ人が描かれています。苗代を用いず、苗になってから多過ぎる所を適宜に間引きする蒔田(まきた)・摘田(つみた)と呼ばれる直蒔(じかま)きの田は例外で、古代よりの田植え法が一般に行われました。

早乙女とは田植をする若い女性のことを言いました。

史料情報

  • 表題:絵入知慧の環 初編上
  • 年代:明治6.5(1873)/古川正雄 著
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書4197
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絵入智慧の環

1.概論 2.にはとり 3.つくゑ 4.ゐのしゝ 5.すゞめ 6.数字

7.家庭内序列 8.父母の呼び方 9.東西南北 10.天地

11.短文 12.方位 13.春夏秋冬 14.花見 涼み 15.月見 雪見

16.歳時記 17.耕起 18.田植 19.稲刈り 20. 脱穀

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