解説
古文書では、通行手形に見られるように、きほん的に身分が高い者の名は、身分の低い者の名より大きく丁寧に書きます。今となっては地震雷火事親父も死語ですが、昔は一家においては男性家長が最も上。史料では「父」が「母」より心なしか、いや結構大きく記されています。
字面だけ見ると理不尽ですが、一家を統率する男性家長は介護や子育てに率先して携わっていました。
一行目は「ちゝ」「はゝ」と解読。「ゝ」は繰り返し符号(重ね字)。要するに「ちち」「はは」で、「母」の仮名「ぼ」は、漢字の本をくずした変体仮名です。
史料情報
- 表題:絵入知慧の環 初編上
- 年代:明治6.5(1873)/古川正雄 著
- 埼玉県立文書館寄託 小室家文書4197
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絵入智慧の環
1.概論 2.にはとり 3.つくゑ 4.ゐのしゝ 5.すゞめ 6.数字