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鯰絵その2

鯰絵・地震けん(地震雷火事親父)

史料

鯰絵地震雷火事親父

※無断転載禁止

解読文

地震(ちしん)けん

〽扨(さて)もこんどの大ぢしん、家(いへ)はぐはら/\大へんな人はあはてゝ、どつちの方へ参(まい)りましよ

合、土蔵(どぐら)と瓦(かわら)でつぶされて、親父(おやぢ)に子供(こども)がしかられて、やつとはい/\にけ至して、古つちの方へサアきなせへ

〽火事(くわじ)の所々(しよ/\)へもゑあがり、にげる人こそ身ぴよこ/\、またぐら/\、どつちの方へ参(まい)りましよ

合、やつたら、むしやうとかけあるき、ぢ様(さま)がば様の手を引(ひい)いて、はいる内こそあらばこそ、お舟(ふね)へサアきなせへ

〽扨もふり出す大雨(おゝあめ)に、らいはごろ/\、いなびかりみなびしよぬれ、野宿(のしゆく)はできません

合、大へん/\大さはぎ、大工さんは手間(ま)を上(あげ)てしかられた、これなら段々(だん/\)世(よ)が直(なを)り金設(かねまうけ)てサアきなせへ

現代語訳

地震拳(地震勝負)

♪さても今度の大地震、家はグラグラ、大変な人は慌てて、どっちの方へ参りましょ。アイ!土蔵と瓦で潰されて、親父に子供が叱られて、やっとハイハイ逃げ至って、こっち方へサア来なせえ。

♪火事の所々へ燃え上がり、逃げる人こそ身ぴょこぴょこ、またグラグラ、どっちの方へ参りましょ。アイ!やたら一途に駆け歩き、爺様(じさま)が婆様(ばさま)の手を引いて、入る内こそあればこそ、お舟へサア来なせえ。

♪さても降り出す大雨に雷はごろごろ、稲光、皆びしょ濡れ、野宿はできません。アイ!大変大変、大騒ぎ。大工さんは手間賃を上げて叱られた。これなら段々世が直り金儲てサアきなせえ。

解説

安政ニ年(1855)十月二日の大地震の直後から、前ページ同様、鯰絵が多く発行されました。鯰絵とは大ナマズが動いて地震を起こすという俗信から大ナマズと地震を主題にした錦絵です。

史料はかわいらしいポップな絵柄で、怖いものの代表、地震(鯰)・雷・火事・親父が描かれていますが、テキストの内容と合ってない(笑)。しかし明るいだけで特に意味のないこのテキストを絵にするのも至難の業かも。

で、テキストは読みづれえ!みたな(笑)。難読の余り数年間解読文も付けずにこのページをほったからかし、数年ぶりにふと思い出して見直したら解読できました。といういい加減な古文書講師。それにしても地震をコミカルに達観する視点って新鮮だ。見習いたい?です。

  

史料情報

  • 表題:地震けん(地震雷火事親父)(鯰絵)
  • 年代:安政 2(1855)/出所:―/宛所:―/形態:一枚
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家6363-5
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

鯰絵

持丸たからの出船/地震雷火事親父

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