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絵入知慧の環その5

いのしし、おほかみ、こま など

史料

絵入知慧の環5

※無断転載禁止

解読文と解説

一行目

ゐのしゝ のぼり おほかみ
猪/ゐのしゝ 幟/のぼり 狼/おほかみ
「ゐのしし」の「ゐ」は「い」と発音。漢字の「為」をくずした変体仮名[註1]。 「のぼり」の「ほ」は漢字の「本」をくずした変体仮名です。 「おほかみ」の「ほ」も、左ののぼりと同じく、「本」をくずした変体仮名。

二行目

くも やなぎ まつ
蜘蛛/くも やなぎ/柳 松/まつ
「くも」の「も」は漢字の「毛」をくずした仮名です。 「やなぎ」の「な」は漢字の「奈」をくずした変体仮名です。 これは問題なく読めてしまうので一休みしましょうか。ふー

三行目

けし ふぢ こま
罌粟/けし 藤/ふぢ 独楽/こま
「罌粟」って難しい漢字ですね。 歴史的仮名遣い[註2]により、ふ「ぢ」と表記しています。 「こま」の「ま」は、漢字の「末」をくずした仮名です。

四行目

えび てまり あさがほ
蝦、海老とも/えび 手毬/てまり 牽牛花/あさがほ
現代では蝦より海老の方が一般的ですよね 「てまり」の「ま」は、漢字の「満」をくずした変体仮名です。 「あさがほ」の「が」は、漢字の「可」をくずした変体仮名です。

このくずし字に注目!

4行目のこま「ま」は漢字の「末」をくずした変体仮名ですが、横の棒が二本ではなく、一本しかありません。古文書に出てくる「ま」はこのように横の棒が一本だけの場合が多いです。

  

補註

註1:変体仮名とは、現在普通に用いられている平仮名とは異なる字体の仮名です。詳しくは古文書の文字の種類をご参照ください。

註2:歴史的仮名遣いとは、現代仮名遣い(昭和21年内閣告示)まで使われていた仮名の表記方法の一つです。歴史的仮名遣いは現代仮名遣いと違って、発音と書き方に大きなズレがあります。例えば、「てふてふ」と書いて「チョーチョ」、「ぐわいこく」と書いて「ガイコク」と発音したりします。

史料情報

  • 表題:絵入知慧の環 初編上
  • 年代:明治6.5(1873)/出所:古川正雄著/宛所:岡田屋嘉七/形態:竪帳
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書4197
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

絵入知慧の環

1.絵入知慧の環とは/2.いろは歌/3.いぬ、にはとり、ほたる/4.わらび、ねこ、うし

5.いのしし、おほかみ、こま/6.さくら、みかん、すずめ/7.数字の読み方/8.父母の書き方

9.父母の呼び方/10.東西南北/11.左右上下/12.天地/13.日月/14.日はひがしよりいでて

15.日のいづるかたに/16.あたまのかたは/17.日月は天にかがやき/18.春夏秋冬

19.春は花見、夏は涼み/20.秋は月見、冬は雪見/21.各月の行事、風物詩

22.田をすくさま、種まき/23.苗代、苗、田植/24.田の草取り、稲/25.稲をこぐ、臼をひく

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