解読文
右同段(大熊善太郎)御代官所 多摩郡鈴木新田 名主・利左衛門㊞、組頭・吉兵衛㊞、百姓代・権兵衛㊞
合御鑑札弐拾弐数
右者当村々へ御焼印御鷹合札并小鳥札御預ケ被置、今般御改之上、私共御渡被成慥ニ受取奉預候、前文之通、殺生人参候ハヽ、右御札ニ合見可申候、勿論御札御改被成候節者、名主持参可仕候、自然出火等有之砌者専一ニ相守紛失不仕様、大切ニ取扱可申候、為後日御鷹合札并小鳥札預証文村々連印差出申候処、依而如件
弘化ニ巳年正月/御鷹場御預・當麻弥左衛門殿
現代語訳
差出人:解読文に同じ。多摩郡鈴木新田は現・東京都小平市
合わせて御鑑札二二数/右は当村々へ焼印された御鷹合札ならび小鳥札をお預け置かれ、この度お改めのうえ、私どもお渡さ成されましたこと、確かに受取り預かります。前文のとおり殺生人があれば、右御札を照合します。もちろん御札改めの際は、名主が持参いたします。
もし出火などこれがあった折は、第一に合札を守り、紛失しないよう大切に取り扱います。後日のため、御鷹合札ならび小鳥札を預かった証文を村々連印のうえ差出しますところ、右記のとおりです。弘化ニ巳年正月/御鷹場御預・當麻弥左衛門殿
解説
小鳥札ははじめ紙札だったようえすが、檜板に変更、再び紙札、天保一〇年(1839)正月に木札となりました。小鳥札は他の合札のように鷹場内に入ってくる余所者を照合し、判別するための札とは異なり、村内で飼鳥することが許可された鑑札です。
文政二年(1805)までは村に対して発行していましたが、同一二年(1815)の小鳥札は個人名を記します。
史料情報
- 小平市立図書館所蔵 當間家文書 M-1-14「御鷹場御法度證文御鑑札御預村〃連卵帳」
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参考文献
- 槇本晶子『尾州藩の鷹場について「多摩のあゆみ第50号」 』(多摩中央信用金庫、1988年)
- 蛭田廣一『小平市小川家文書「尾州様御鷹場御定杭場所書上帳」と尾州鷹場「多摩のあゆみ第50号」 』(多摩中央信用金庫、1988年)
- 小平市中央図書館『小平市史料集二十一集 鷹場1』(小平市教育委員会、1997年)