解読文
其四 内機ヲ開シ図/は印の所に針の両方にSF(スフ)又はAR(アル)の二字を記す、是は時計の早まり過るか、おくるゝかを直す為の印也/S(ス)R(ル)はおそくする方 F(フ)A(ア)はいそがす方
解説
史料は、変体仮名と漢字のくずし字が入り混じり、解読が結構難しいです。
本文「は印の所に針の両方にSF又はARの二字を記し」、図は「は」印として、SF又はARが省略されています。時計職人修行日記さん掲載の実物の袖時計(懐中時計)を拝見すると、SF「又は」ARではなく、両方記されていることが確認できます。(笑)
SF、ARの文字は何の略かというと、進む意味が英語でF=Fast、仏語でA=Avance、遅れる意味が英語でS=Slow、仏語でR=Retard。史料左下の解説と一致します。
史料情報
- 表題:西洋時計便覧
- 年代:明治二年(1869)/柳河春三著、柳河氏采英書屋刻・東京 宝集堂発兌
- 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3335
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西洋時計便覧
4.懐中時計 表面 5.開図 6.調整 7.刻み方 8.見方
9.図解 時計の読み方 10.不定時法対応表