史料
解読文
一 ある人、大震(たいしん)の後、度々の動揺(とうよう)大小を量(はか)りて、毬図(まりかと)に作らしめし
其有やう、通俗(つうぞく)に傚(なら)ひて日の出、日の没(いり)を以て昼夜とす、即(すなは)ち白毬(はくきう)は昼(ひる)、黒毬(こくきう)は夜(よる)と知(しる)べし
且(かつ)初震の毬(まり)は、殊(こと)に大きく書(かく)べきを、紙上の所見(そけん)あしければこゝに略(りやく)す/十月総計八十度、昼二八度・夜五二度也、以下略之
解説
史料は、安政の大地震後の余震の規模の大きさを記した記録。白丸(白毬)は昼を示し、黒丸(黒毬)は夜を示し、余震が大きいほど丸を大きいです。日が経つに連れて余震の規模が小さくなり、一日の余震回数も少なくなっているのがわかります。
安政二年(1855)一〇月二日の夜四ッ時(10時ごろ)に地震が発生し、余震は二九日までつづき、はげしい日は八〇回を数えました。
史料情報
- 表題:安政見聞誌 上
- 年代:-(江戸時代)/一勇斎国芳・一度斎芳綱・鶯斎国周 画
- 埼玉県立文書館寄託 小室家2743
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安政見聞誌
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