図:荘園公領制の仕組み
領家とは
領家(りょうけ)は、荘園(しょうえん:貴族・寺社の私的な領有地)の領主で、本家(ほんけ:名義上の領有者)の下に位置しました。
平安時代中期ごろから、在地領主が自己の手元に一定の権利を留保しつつ、中央の貴族に所領を寄進する寄進型荘園がみられるようになり、その寄進を受けた荘園領主を領家と称しました。
この荘園がさらに上級の大貴族や天皇家などの有力者に重ねて寄進されたとき、上級の領主は本家(ほんけ)と呼ばれました。
重ねて寄進されたのは、領家となった領主が有力者の保護により政治的な地位を高める、あるいは荘園権利を拡大するためです。領家・本家のうち実質的支配権を持つものは、本所(ほんじょ)と呼ばれました。
預所(あずかりどころ)は、領家の代理者として荘園の事務を預かり管理。下司(げし)・公文(くもん)など下級の在地将官を指揮し、年貢の一部を得分として給田が与えられることもありました。
参考文献
- 佐藤信・五味文彦・高埜利彦・鳥海靖『詳説日本史研究』(山川出版社、2017年)「第3章 貴族政治と国風文化 3地方政治の展開と武士」116-117頁
古文書の様式
1.概要 2.詔書・勅書、太政官符など