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奉公人請状2-2(森重郎奉公ニ付 本文中)

史料

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奉公人請状2-2全体図

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本文中_奉公人請状2-2

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解読文

原文

然上者、御奉公之儀者何ニ而茂、御家之作法為相背申間敷、若俄ニ病者等ニ罷成候ハ、其身同様之人代成共、増金成共畏次第可仕候、万々一取逃欠落等仕候ハヽ、其雑物御勘定次第、相并貴殿江少茂御損耗相掛ケ申間敷候事、一 御公儀様  御法度之儀者不及申候上、何二而茂御家風為相背申間敷候事

>>読み下し文

現代語訳

この上は、御奉公のことは何としても御家の作法に背かないようにさせます。もし俄かに病者等になりましたら、その身と同様の人が代わり、金銭の負担が増えても契約を続行します。もしも窃盗や逃亡等しましたら、その盗品等をお支払いすると共に貴殿へ少しもご迷惑をおかけしません。

御公儀様(幕府)の法令(寛政の改革)のことは言うまでもなく、御家の掟に背かせません。

解説

  • 一(ひとつがき)御公儀様と御法度の間の空白は、闕字:けつじ。
  • 申間敷候(もうすまじくそうろう):三回出てきますが、「~申しません」という意味もありますが、ここでは全て「~いたしません」の意。
  • 万々一(まんまんいち):万一を強調した言い方で「もしも」の意。

読み下し文

しかるうえは、御奉公の儀はいかにても御家の作法相背せ申すまじく候、もし俄かに病者等にまかり成りそうらわば、その身同様の人代(ひとがわ)りなりとも、増金(ましきん)なりとも畏み次第仕るべく候、万々一(まんまんいち)取逃げ欠落等仕りそうらわば、その雑物御勘定次第、相ならび貴殿へ少しも御損耗相掛け申すまじく候こと

一つ 御公儀様  御法度の儀は申すに及ばず候うえ、いずれにても御家風相背かせ申すまじく候こと

史料情報

  • 表題:奉公人請状之事(森重郎奉公ニ付)
  • 年代:寛政5.12./出所:大里郡大麻生村てゑ外2名/宛所:板井村平重郎
  • 埼玉県立文書館所蔵 飯島家445
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