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はしか絵その5

痘瘡麻疹水痘[養生法]

史料

痘瘡麻疹水痘[養生法]

※無断転載禁止

解説

疱瘡とは天然痘、麻疹とははしか、水痘とは水ぼうそうで、これらにかかった時の過ごし方について書かれてます。子供がかかった時は掛け布団から手足が出て冷めないよう、看病する者はこころがけることとあります。また怒りや悲しみをおさえ、草双紙などを読んで退屈しないようにとのこと。

このはしか絵の子供二人は、赤い半天や下着を着ています。これは痘鬼が赤色を嫌うという理由から、痘瘡患者の周囲は衣類から玩具まで赤色ずくめにします(註1)。当図版に限らず、当サイトに掲載している他のはしか絵も、何かしら赤が入っているものを着用してる人物がほとんどです。チェックしてみてください。

下記には解読文を掲載しましたのでお暇な時にでもお読みください。

  

解読文

疱瘡(ほうそう) 麻疹(はしか) 水瘡(みづいも)

人間一世(にんげんいつしやう)の大厄(たいやく)なれども、其(その)かろきに至(いた)りては、服薬(ふくやく)をも用(もち)ひずして、治(ぢ)する

其中(そのうち)に稍(やや)はげしく、熱毒(ねつどく)さかんに足腰(あしこし)たゝず人事(ひと)を失(うしな)ひ夢中(むちう)の如(ごと)くなるも有(あ)り

然(しか)れども、養生(やうじやう)をよく専(もつぱ)らにする人は、第一食物(たいゝちしよくもつ)を用捨(ようしや)して、おのづから全快(ぜんくわい)に至(いた)る

はじめ熱有(ねつあり)と思はゞよく、風(かぜ)にあたらぬやう、蚊帳(かや)又は紙帳(しちやう)を用(もちひ)て、日中も其内(そのうち)に居るべし

冷かなるものを食(しよく)せず、渇(かは)くとも水(みづ)を呑(のむ)こと大(おおひ)にわろし 白(しら)かゆ又は、白湯漬(さゆづけ)寒晒(かんさらし)の粉、道明寺(だうみやうじ)の粉など食(しよく)すべし

大人(だいにん)は其心(そのこゝろ)を得(え)れども、幼稚(おさなき)ものは、わきまへもなく、くるしきまゝに夜着(よぎ)をふみぬき手足(てあし)を出(いだ)し冷るを、かまはざるものなれは、看病人(かんびやうにん)よく/\心附(こゝろづけ)て 介抱第一(かいほうだいゝち)なり 

食(しよく)して悪(あ)しきもの 

一鳥類(とりるい)一切 、一玉子(たまご)百日いむ、一青物(あおもの)油物(あぶらけ)は七十五日いむべし 、一豆腐(とうふ)、 一こんにやく、一そら豆(まめ)

一竹(たけ)の子(こ)、 一餅(もち)、 一梅(うめ)ぼし、一麺(めん)るい、うんどんハよろし 一梅漬(うめつけ) 、一柿(かき) 一菌(きのこ)るい 一もみうり、一茄子(なす)の生漬(なまつけ)百日いむべし

肥立(ひだち)かゝりて怒(はらたつ)ことを忌(いむ)べし、又哀事(かなしむこと)すべて気(き)をつかふ事をまぎらせんと、雑談(はなし)又ハ草双紙(くさぞうし)などよみて、たいくつせぬことよろし

結髪月代(さかやき)を剃(そる)こと、大ひにあしく、廿日又は三十日も過(すき)て、ざつと洗足(せんそく)し、髪(かみ)はたばねておき、十日ほど見(み)あはせ、其後(そののち)沐浴(もくよく)髪(かみ)月代(さかやき)してよろし

補註

註1:東京都薬剤師会・北多摩支部 おくすり博物館 参照

史料情報

  • 表題: 痘瘡麻疹水痘[養生法]
  • 年代:文久 2. 4(1862) /出所:五雲斎貞秀/宛所:両国大平板/形態:一枚
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書6369-2
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

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