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近代文学で覚える異体字と歴史的仮名遣い

近代文学で覚える異体字と歴史的仮名遣い

序文

一般に、これらの差異的要素は、実用的なことしか考えていない人にとっては取るに足らないものに思われるだろう。(中略)けれども、この細部この特徴的なニュアンスこの言い回しこの色違いこそ、まさしく「スタイル」とか「方法」と呼ばれるものであり、何にもまして芸術にとって重要なものである。ガブリエル・タルド『模倣の法則

文語で名著

宮沢賢治太宰治夏目漱石など近代文学ファンは多いと思います。しかし近代文学を初版に近い状態、則ち異体字(旧字)と歴史的仮名遣い[]で読んでいる方は少数派でしょう。

戦後の学校教育がきほん、現代仮名遣いと常用漢字以外は教えてないので無理もありません。国語の教科書はじめ書店に並べられている本の多くも、近代文学を今風の書き方に置き換えました。

こうして「わかり易さ」と「内容」に重点が置かれた結果、本来近代文学が持っていた風味や奥行き、重厚感がかなりそぎ落とされました。私は文学の専門家ではありませんが、それはすごく勿体ないことだ!と昨今、強く感じているところです。

かくして、どれ程勿体ないことになってるかを知ってもらおう!と有難迷惑なことを突然思いついて、創設したのが当コーナー

当サイトは江戸時代古文書を中心に扱っていますが、その中には異体字をくずしたもの、歴史的仮名遣いで書かれているものがとても多いです。よって近代文学で先にこれらをマスターするのもアリ…というか(歴史的にも)順番としては正しいように思います。

「わかり易い」は見方によっては、却って人をバカにしている、あるいは作家へのリスペクトに欠ける、などの危険が伴います。難解だから高級とも限りませんが「わかりにくい」文章の面白さや深みを、ここでしばし味わってみてください。

補註

Wordの文章作成において(こんなことをする人もまずいないだろうが)"さう思ふ"とか、"なつてたのだ"などと入力しようものなら、自動的に訂正の可能性を示す赤い破線が引かれる、ご「親切」を賜わろう。

近代文学

はじめに/漱石葛西賢治太宰安吾高見

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